秋の里山 剣山、次郎笈   2013/09/06
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秋空の剣山 リンドウの花が咲き始める -

鹿害の酷さを再認識

今週は台風崩れの熱帯低気圧の所為で凄い雨が降った。

今日は久しぶりに良い天気。

青空の下、爽やかな秋風の吹く剣山を歩くことにした。



貞光からの国道438号線は土砂崩れの跡は少し残っているが綺麗に取り除かれている。

もの凄い雨が降った筈なのに大きな被害は無かったようだ。。

見ノ越の駐車場に着くと既に10台くらいが駐車している。

駐車場横のナナカマドに真っ赤な実が生っていた。

少し寒いので念のため厚めのジャケットをリュックに入れて出発。



剱神社へと登って行くと石段横にはハガクレツリフネが花の盛り。

キツリフネも咲き残っている。



少しピンクのゲンノショウコが朝露に濡れている。

レイジンソウも花の盛りのようだ。



剱神社にお参りしてから出発。

8時2分

三嶺は頂上が少し雲に隠れている。

気温は12度。

つい先日までの暑さが嘘のようだ。



登山口にもハガクレツリフネが沢山咲いている。



朝の登山道を吹く風は少し冷たく感じる



真っ赤な実が可愛くぶら下がっていた。

此処にはツリバナやマユミが沢山咲いていたので多分ツリバナの実だろう?

実に切れ目が無くてまん丸なのが??だ。

しかし少し上に登って行くと、まだ緑だが紛れもないツリバナの実が生っていた。

やはり赤い実はツリバナではないのかな?



リフトトンネルからは遊歩道を行かず登山道を上っていく。

登山道脇のスズタケは鹿の食害の所為か緑の葉が少ない。



ナナカマドの葉はまだ紅葉していない。

赤い実も全く生っていないのが不思議だ。

登山道は至る所で水切りの溝が掘ってある。

大雨で登山道が荒れないように頂上ヒュッテの新居さんが溝を掘ってくれているのだろう。

何時もありがとうございます。



剣山や次郎笈の頂上部は雲が覆っている。



三嶺や矢筈山も頂上は雲に覆われている。

今日は午前中は晴れの予報なのでそのうち雲が晴れるかな?



西島のキャンプ場横で上から青年が下りてきて遊歩道は何処ですかと尋ねてきた。

西島駅まで登ったが次郎笈への遊歩道が解らなくて降りてきたようだ。

ご一緒して西島駅まで登り遊歩道をお教えする。

確かに次郎笈への遊歩道入り口とかの見やすい看板は無い。

道の横に標識はあるのだが初めてだと解りにくいかもしれない。

お聞きすると千葉の銚子の方で夏休みを取って自転車で四国一周するつもりで来られたらしい。

しかし雨ばかりで足止めを食い、やっと晴れたので次郎笈と剣山に登に来たと言う。

彼は遊歩道へ、私達は刀掛けの松へと向かう。



長く話し込んでいる内に剣山頂上が見えだした。

西島駅横のマユミの実が少し色付き始めている。



リフト横にはホソバヤママハハコが花の盛り

ガマズミの実?が色付いていた。

オオカメノキの実との見分け方がもう一つ?だ。



木屋平からの国道の崩壊地は少し工事が進んでいるが完成は可成り先になるようだ。



刀掛けの松に着く。

何時ものように枝折神社にお参り。

この枝折神社は道迷い防止にご利益がある。



刀掛けの松から石段を登っていくとシコクフウロがまだ元気だ。



シコクブシが凄い群生



シコクブシは道の両側にずっと連なって咲いている。

ネットの中にはレイジンソウが沢山花を咲かせている。



テンニンソウとシコクブシの花園?



シコクフウロの中に紛れて白い花が咲いている。

ゲンノショウコが紛れ込んでいるのか?

シベがゲンノショウコと違うような気もするが..



トモエシオガマみっけ。

アキノキリンソウはまだ元気だ。



頂上ヒュッテ下のシコクシラベは雪が降るとモンスターとなって素晴らしい景観となる。

そのシコクシラベが鹿害で枯れている。

鹿に幹の樹皮をグルッと囓られると翌年には枯れてしまう。



姿の良いこのシコクシラベはまだ青い葉を茂らせているがよく見るともう下の方の枝が枯れ始めている。

来年には全て枯れ落ちてしまうかもしれない。

左に並ぶ樹も寸前の灯火



その上の樹はもう完全に枯れている。

それにしても可愛そうな姿だ。



リンドウの花が咲き始めていた。

今年初めての出会い。



本宮神社に着いてお詣りしていると新居さんがヒュッテから出てこられた。

二日前の大雨の時も登山道の整備をされていたそうだ。

流石に次郎笈の登山道は体が飛びそうで出来なかったとか。

鹿害のことでしばらく話をお伺いする。

早く手を打たないと剣山の頂上付近の樹木は全滅すると嘆いておられた。

今日もまた登山道の整備をすると下って行かれた。

本当に頭が下がる。



青空が広がり始めた。

木道を頂上へと向かう。

頂上を取り巻くように生えているシコクシラベの多くがいつの間にか枯れている。

周りが緑の時期は特にその酷さが解る。



9時38分頂上着

頂上では3人の登山者が休憩されていた。

三嶺や塔の丸方向はまだガスで何も見えない。



次郎笈もガスの中だったが、みるみるうちにガスが晴れてきた。

休憩せずにそのまま次郎笈に向かう。

此処にもリンドウが咲き始めていた。

これから秋が深くなるとリンドウの花が咲き乱れることだろう。



見る見るうちに次郎笈がその全貌を表した。

先ほど頂上にいた男性が二人追い越していった。

皆さん走るように下って行く。

下りの苦手な私達は羨ましく思いながらも滑らないように慎重に下っていく。



三嶺もまだ少し雲があるが綺麗に姿を現した。



リンドウが所々に咲いていてマルハナバチが吸蜜している。



次郎笈の登山道脇のシコクシラベもとうとう完全に枯れてしまった。

シコクシラベと次郎笈の緑の対比が綺麗だったのに。



水場分岐で一休憩

振り返ると剣山の頂上部も雲が晴れて綺麗だ。



風が冷たくて清々しい。

真夏と違ってルンルンで登って行くことが出来る。



10時30分 次郎笈頂上着

登山口から約2時間30分。



秋空の下、緑濃い剣山が美しい。



なんと頂上には銚子の青年がまだ景色を楽しんでいた。

こんな素晴らしい眺望は滅多に見る事が出来ないからとまだ下山しなかったそうだ。

彼は自転車で四国八十八カ所も回ったことがあるそうだ。

そのうちに全身ショッキングピンクの女性なども登ってきて賑やかになった。

三嶺への縦走路の山々もくっきりと見えるようになった。



少し先の岩場で剣山を見ながら少し早い昼食

気持ちよくて少しウトウトする。

また天気が急変するとまずいので11時30分下山開始

青年と色々話をしていたので1時間も次郎笈頂上で過ごした。

頂上に行くとまだ青年は景色を楽しんでいた。

まだしばらく此処で過ごしてから剣山に向かうそうなのでお先に失礼する。

余程、次郎笈が気に入ったのだろう。



剣山に向かって下り西島へとトラバース道を進む。



シロドウダンが実になっていた。



遊歩道を行くと子供連れ等の登山者がどんどんやってくる



遊歩道にもシコクブシが群生している。

12時14分 西島駅着

リフトでやってきた観光客が大勢準備体操をしている。



ブナの実は段々茶色く熟れてきている。

登山口 12時56分着

気温は19度



三嶺は雲が晴れて綺麗にシルエットになっている



ゲンノショウコが朝よりも沢山咲いていた。

写真では解りにくいがピンク色が濃くて綺麗だ。

今日は爽やかな初秋の山歩きを楽しみ、リンドウの花にも出会うことが出来た。

しかし、鹿害の深刻さに改めて考えさせられた。

本当に早く手を打たなければと思うが、果たしてどうすれば良いのか解らないことがもどかしい。




里山倶楽部四国編 

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