夏の里山 笹ヶ峰 沓掛山   2013/07/13
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 気になっていた沓掛山へ -

西赤石山等から西を眺めると、笹ヶ峰から続く吊り尾根の右に少し傾いた三角錐の山が見える。

沓掛山1691mだ。

笹ヶ峰に登る時気になっていたがまだ登ったことがない。

久しぶりに下津池から笹ヶ峰に登り、帰りに沓掛山に登ることにする。



西赤石山から見た沓掛山



朝4時30分に自宅を出発。

国道194線を南下し、薄雲姫物語の伝説を伝える風透を過ぎて下津地の止呂橋を渡ると吉居林道(加茂~新居浜角野線)

( 昭和26年に吉居部落に通じる吉居林道が開通し、止呂峡につり橋が架けられた)

止呂峡は加茂地区を流れる加茂川渓谷の中でも最大の景勝地だそうだが今はその面影はない。

久しぶりに通る吉居林道は良く整備されているが凸凹道は昔のまま。

普通車は慎重に運転しないと腹をすりそうな所がある。

自宅から約3時間かかって吉居の登山口着。

今日も一番乗りのようだ。

7時27分出発。

標高 1068m位



登山口の直ぐ上に沢山ギンバイソウが咲いている。

今年は剣山のギンバイソウは鹿に食べられて見る事が出来ないので此処で出会えてラッキー。

写真を写していると軽四が到着。

軽四では凸凹の林道を通過するのは大変だっただろう。



吉井川の右岸を登っていく。

まだ薄暗い登山道は最初は少し傾斜がきつい。

道幅も狭いので注意して登って行く。

吉居川の沢の音がゴウゴウと響き滝のように流れ落ちている。



登山道は苔むしてとても雰囲気が良い。

今日はヒグラシの大合唱も聞こえず、沢の音が響くだけ。

トチバニンジンの花が咲いているが地味な花だ。



ヒヨドリバナはまだ蕾

登山道は所々水が流れて居るが登山靴が浸かる程ではない。



薄いブルーのヤマアジサイが沢山咲いていて気持ちを和ませてくれる。



8時18分 登山口から50分程で宿に到着。

丸太に腰を掛けて休憩。

気温が高いのか、凍らせてきたドリンクがもうシャーベット状に融けている。



吉居集落でつくられた木炭は、この宿をへて別子山の中七番に駄馬で運ばれていたそうだ。

畑のように草の生えた中を登山道が続いている。

笹ヶ峰まで2.8㎞の看板。

下津地まで10.5㎞の表示もあるが、吉居林道が完成する以前は下津地から歩いて登っていたのだろうか。



古い橋は左に降りて水のない沢を渡る。

エンレイソウに実が出来ている。



整備された階段道を上ると笹ヶ峰まで1.6㎞40分の看板がある。

しかし此処から40分で笹ヶ峰に登るの事が出来るのは相当の健脚者だと思う。



立派なソーラーの設置されている丸山荘に着く。

8時50分

登山口から1時間23分

標高 1520m位



丸山荘の二階の窓は開いているが管理人の片山さんは不在のようだ。

山荘横の水場で頭から水を被る。

この様な山の中で蛇口をひねると豊富な水が出てくるのは何か不思議な感じだがありがたい。



笹ヶ峰お山開きのポスターが貼ってあった。

今日は正法寺で大護摩があり黒森太鼓が奉納され、明日14日と15日は笹ヶ峰参拝らしい。

笹ヶ峰は古く奈良時代より山岳信仰の地として修験者が往来していたらしい。

明日には正法寺から黒森山、沓掛山を越えて丸山荘に泊まり笹ヶ峰に参拝するのだろう。


温度計があって気温は19度

今日も暑くなりそうだ。

水場の横から笹ヶ峰山頂に向かう。

8時57分出発。



キャンプ場を過ぎると頭上に笹ヶ峰の稜線が見えるが、尾根が広く何処が頂上か解らない。

最初はダケカンバの林の中を登って行く。



ヤマアジサイが一面に咲いている。

ヤマアジサイは花が小さくて色合いも淡く優しい。

この登山道では薄い水色の花が多い。



やがて笹が深くなる。

ヤマハッカだろうか?



ダケカンバの大木がある。

幹が真っ赤なのでアカカンバだろうか。



20分程登ると樹林帯を出て笹の斜面を登るようになる。



眼下に赤い屋根の丸山荘が見える。

正面の山は帰りに登る予定の沓掛山

きつそうなのが気に掛かる。



西を見るとギザギザ尾根の続く天ヶ峠

左奥には薄く石鎚山が見える。



燧灘から吹き上げる水蒸気を含んだ風が雲を発生させるので既に西の山は雲に覆われつつある。

西条の町並みも見る事が出来る。



笹原の中をジグザグに高度を上げていく。

石鎚山が雲に隠れ始めた。



青空に向かって登って行く。

まだ何処が山頂なのか良く解らない広い笹原が続く

時々立ち止まって沓掛山を眺めて休憩。

冷たい風が吹いて気持ちが良い。



トゲアザミが沢山咲いていてチクチクと刺される。

シロバナニガナが可愛く咲いている。



何回か折り返して真っ青な空を目指して登って行く。

普通なら山頂を目指すのだが、笹ヶ峰は最後まで山頂が見えてこない。

やっと寒風山からの縦走路分岐に着く。

9時49分。

此処まで、すでに52分掛かっている。



頂上まであと少し。

コメツツジが沢山咲いているトンネルを潜って行く



急ぎ足の登山者が降りてきた。

寒風山からの縦走者だろうか?

先を急ぐように駆け下りていった。



バイケイソウを過ぎると直ぐに山頂に着く。

9時55分着。

標高 1860m

山頂には誰も居ない。

やはり丸山荘からは約1時間。



山頂から石鎚山方向

寒風山や伊予富士がくっきりと見えている。

しかし、石鎚山は雲の中だ。



山頂で記念撮影して、休憩していると青年が二人登ってきた。

朝、登山口に後から着いた軽の人達らしい。

登山者が誰も居ないのに驚いていた。



チチ山から冠山に続く稜線

二ッ岳から向こうは雲の中。

徳島の山々は見えない。



しばらく待ってみたが石鎚山は姿を見せない。

10時8分 もみじ谷に向かって下山開始。



シコクフウロが沢山咲いている。

ホソバシュロソウはまだ蕾



コメツツジの咲く中をチチ山方向に下って行く。



ガスが切れると青空が綺麗だ。

男性が一人黙々とチチ山方向から登ってきた。

大永山トンネル方向から登ってきたのだろうか。



タカネオトギリソウがゴージャスな花を咲かせている。



チチ山分岐からもみじ谷に降りていく



もみじ谷の名の通りイタヤメイゲツが多い。

雰囲気の良い道だが狭くて滑りやすく気をつけて降りる。



ミヤマシグレが咲いている。



エンレイソウの実が沢山出来ている。

この花は?



やがてヤマアジサイ街道となる。

少し花色の違うヤマアジサイが沢山咲いていて楽しい。



中にはギザギザの変わった萼の花も



ヒナノウスヅボだろうか。

シモツケはまだ蕾



笹ヶ峰では珍しいピンクの濃いヤマアジサイ

やがてリウツギの咲く綺麗な道となる。



地図では直接西山越えへ行く道もあるようだが見つけることは出来なかった。

11時15分 丸山荘に帰ってきた。

また冷たい水を頭から被る。

時間は早いがお腹がすいたので縁側に座って昼食にする。



茶黒い蝶が直ぐ側までやってきた。

クロヒカゲかな。

撮影しようとすると最初は逃げたが、そのうち逃げなくなってじっとポーズをするようになった。

出来れば羽を開けて欲しいのだけれど..

まあ表も茶黒一色の蝶なので少し綺麗な裏面の眼状斑紋を見せているのかもしれない。



トレランスタイルの女性と男性に挨拶していよいよ沓掛山に向かう。

11時28分



西山越までは緩やかに下って行く。



11時43分 西山越に着く

1448m

此処でも水休憩。

今日はとにかく喉が渇く。



最初は緩やかな道が続く

やっと笹原に出てもしばらく緩やか



ツガの林に入る頃から急坂となる。

笹が深い

先ほどまで晴れていたのに急にガスが出てくる。



笹ヶ峰を振り返るが完全にガスの中。



急に大粒の雨が降り出しカッパを着用。



12時29分 沓掛山到着

標高 1691m

雨が小雨となったのでカッパを脱ぐ。

晴れていれば目の前に笹ヶ峰が見えるのだろうが完全にガスで真っ白。



晴れていれば黒森山まで行くつもりだったが中止して小休止の後下山する。・

雨は止んだが笹がびっしょりと濡れている。

途中で一瞬ガスが晴れたが笹ヶ峰山頂は見えない。



濡れた笹にびっしょりになり西山越に到着

家内は靴の中に沢山水が溜まっていた。

やはり濡れた笹道を歩く時はスパッツが必要だ。

大きな音がして、片山さんと女性がキャタピラ車に荷物を一杯積んで丸山荘に向かって行った。

お山開きに大勢の宿泊者があるのだろう。



小雨がパラツク中を滑らないように慎重に下っていく。

途中分岐があり地図では真っ直ぐ進む方が早いのだが標識通り宿へと左に曲がっていく。

宿で一休みして後は、大きなヒキガエルに何度か驚き、ひたすら登山口を目指す。



14時28分 登山口着

しばらくすると若者達が大勢駆け下りてきた。

笹ヶ峰山頂でも雨に遭ったようだ。

今日は貸し切りの笹ヶ峰を楽しみ、未踏破だった沓掛山にも登ることが出来た。



総歩行距離 13.6㎞

累計標高差 ±1,171m

歩行数 27,310歩

里山倶楽部四国編 

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