冬の里山 塔の丸  2014/01/17
ホームページ

 久しぶりの塔の丸 壺足に大苦労 -


剣山系の中で塔の丸には10数年前に登ったきり久しく登っていない。

花の時期や紅葉の時期には話題にならない山だし真夏には稜線に日陰が無い。

唯一、雪のシーズンには話題となるが雪が深くスノーシューが必要だとのレポートが多い。

私は今までスノーシューを持っていなかったので敬遠していた。

今回スノーポンを購入したので、行ってみようかと思い立った。

家内はスノーシューを持っていないが私の歩いた後を歩けば大丈夫かな?

先週は大勢が歩いているのでトレースも付いて登りやすいことだろう。



今日の天気予報は晴れ。

所が鴨島を過ぎた辺りから小雪が舞いだした。

これはやばいかな?

第7ヘアピンの作業道入り口に駐車。

小雪が降り続いているがたいしたことは無いようだ。

第7ヘアピンからの登山道は初めてなので良く様子がわからない。

とりあえずスノーポンを履いて出発。

9時7分。

標高は1,283m

塔の丸は標高1,713mなので標高差430m位。

楽ちんコースかな?

最初は、水平な道が続いている。



山スキーの跡が何本か付いているが直ぐに左上へと消えていった。

1414mの広場に直接上がって行っているようだ。

作業道は踏み跡が多く硬くて歩きやすい。

所が、小島峠からの道と交わり左へと登り始めると可成り急坂。

家内はグングン登っていくが、スノーポンはヒールリフターが付いていないため脹ら脛が張って歩きにくい。

これは購入前から解っていたが、実際履いてみると更に具合が悪いことが判明した。

アイゼンの歯を金具の穴に入れるようになっているため足先が浮くようになる。

そしてアイゼンの前部分だけがスノーポンに装着されていて踵部分はフリーとなっている。

その為急な登りでは、爪先を雪に蹴り込むことが出来ないばかりか踵部分が雪に沈む。

その為アイゼンを付けて登るよりも爪先が上がって踵が沈み、脹ら脛に異常に負担が掛かる。

踵を沈まさないように歩こうとすると爪先だけで歩いているような感じとなる。

これでは疲れるばかりだ。

直ぐにスノーポンを外し背負って家内を追う。

1,414mの広場に着くと傾斜は緩やかになる。

アイゼンだけでも、くるぶし位までしか沈まない。



モミの林を抜けると開放的な雪原となる。

気持ちが良いが結構キツイ登りだ。



霧氷が素晴らしい。

相変わらず小雪が舞って景色がグレイ一色なのが残念。



1,665mの稜線に出る。

10時50分 

予想よりも時間が掛かった。

稜線は朝からの小雪と風でトレースが薄い。



壺足となるのでまたスノーポンを履く。

家内でも沈むので私が先に踏み固めながら歩いて行く。

所が風が強くなり吹雪のようになり視界がなくなる。

磁石とGPSで確認しながら進む。

左は雪庇となっていて切れ落ちているので注意しながら進む。



1,682mのピークでは全くトレースが無くなり所々にスキーの跡が残っているだけ。

目の前にあるはずの塔の丸の頂上も全く見えない。



ピークからの下りにはトレースは無いが所々踏み抜いた跡が残っている。

この様な緩やかな坂ではスノーポンが威力を発揮する。

ピークから鞍部に降りるてモミの林に向かうと、トレースが沢山残っており雪も硬く締まって沈まない。

この辺は今朝から雪が積もっていないようだ。

地形と風向きの所為かな?

家内が先に行く。

登りではやはりスノーポンは家内に遅れを取り離される。



樹林帯を抜けると平べったいピークが見える。

これが山頂かな?



11時41分 塔の丸山頂に着く。

360度何も見えない。



気温は-7度。

風が無くて意外と寒くない。

少し西側に下りて岩に腰をかけて昼食。

途中で水休憩をしなかったので喉が渇いた。

ポットのコーヒーが美味しい。



食事をしているとガスが少し上がり滝下の天狗と津志嶽が顔を出した。

黒笠山や矢筈山はやはりガスの中。



三嶺や高ノ瀬方向は深いガスの中で何も見えない。



一瞬ガスが流れて青空も出てきた。



帰ろうかと 頂上に向かうとまた青空が出てきた。

これは期待できるかなとしばらく待つが、またガスが出てきて何も見えなくなる。

仕方が無いので帰ることにする。

12時4分

1,682mのピークが顔を出している。



また登り返していく。

大分明るくなってきてモミの雪が綺麗だ。



モミの木の間に見え出したのは高ノ瀬辺りの稜線だろうか。

来る時は吹雪の中だったので何も見えなかったのでしばらく眺望を楽しむ。



ガスが晴れると来た時には結構厳しいところを通っている。



ピークが近づくと、あれからかなり雪が降ったのか来た時の足跡が完全に消えている。

家内が歩きにくくなったので先頭を替わる。

明るくなってきたので良いが、短時間でトレースが完全に消えるとは冬山は怖い。



高ノ瀬方向もまたガスが濃くなった。

降ったばかりの新雪の中を歩いていく。



ピークを過ぎて振り返ると塔の丸山頂がくっきりと見えだした。



トレースが消えて、雪庇が綺麗だ。

家内は軽いので私の歩いた後を歩くと沈まない。



1,682mのピークから下っていくとかなり雪が深くなる。

男性が二人、何度も雪を踏み抜いて苦労しながら登ってくる。



大きなリュックを背負っているので重さで雪を踏み抜くのかもしれない。

挨拶をしてから尚も下って行く。

先ほどの二人の足跡が深い。



黙々と下っていてふと後ろを振り返ると三嶺が微かに顔を出している。

もう少し晴れないかなと見ていて登山口への分岐を見落としたことに気が付いた。

登ってきた時のトレースが消えているので見落としたようだ。

しかし、この先にはスキー場へ下る分岐があるはずだから大丈夫と、尚も下って行く。

しかしトレースもないし、何処からスキー場へと下りていくか解らない。

登り返そうかと家内と相談。

面倒なのでこのまま夫婦池の登山口まで歩いて行って、後は車道を引き返すことにした。



1,579mの小ピークまで少し登り返す。

登山道が狭く先ほどの男性の足跡が深く歩きにくい。

足跡は複雑に雑木の間に続いているが青テープが所々に付いているので従っていく。



振り返ると三嶺が顔を出している。

山頂部は真っ白だ。



塔の丸頂上も遠くなった。



目の前に一際白く輝いているのは次郎笈だ。

山頂付近が雲に隠れているのが残念だ。

剣山は見えない。



古いスノーシュー跡や足跡が交わって道が解りにくい。

先ほど登ってきた男性の足跡は何処かへ行ってしまった。

小ピークを登って下ると足跡が消えている。

クリップで赤リボンを小枝に付けてある。

何個か続いているので従っていく。



左から新しくて深い足跡が交わってきた。

先ほどの男性達の物だろう。

小さな鞍部に着くと微かなスノーシュー跡は1,549mのピークに向かっている。

深い足跡は左へとトラバースしている。

迷ったが足跡がハッキリしている方が間違いないだろう。

私達もトラバース道を行く。

これが間違っていたのか?

この後大変な苦労を強いられる。



所が下らないで緩やかに登って行く。

しかも深い足跡で所々で大きく踏み抜いている。

トラバース道は回り込んでも回り込んでもまだ先に続いている。

歩きにくくてため息が出る。

霧氷が多くなりとても綺麗だ。

谷を回り込むところで斜面の傾斜がきつくなりスノーポンが横滑りして歩きにくい。

スノーポンを脱いで進む。

所が、雪が深く踏み抜いて二度程転倒した。

二度目は踏み抜いたところにロープが有り、アイゼンが引っかかって谷側にもんどり打って倒れた。

斜面を転げ落ちそうになり起き上がるのが大変。

どうもトラバース道の転落防止用の虎ロープが雪に埋もれていたようだ。



その後も踏んだ雪が谷側に崩れて一緒にズレ落ちること数回。

そのたびに腰まで埋まり這い上がる。

先日テレビで見た「ストックの真ん中を横に持ち山側の斜面の雪を確保しながら歩く」を実践する。

これで谷側にズレ落ちることが無くなった。

中々着かないのでうんざりするが見慣れた「登山道」のプレートがあるので道は間違いないようだ。

トラバースが終わり真っ直ぐに下って行くと沢山の足跡がある。

どうも此処まで来て引き返した人が沢山居るらしい。



14時43分

やっとの思いで登山口到着。

本当に歩きにくいトラバース道だった。

山頂から2時間40分程掛かっている。



後はガチガチに圧雪された車道歩き。

本宮山が綺麗に見えている。



道は硬くてガリガリと足裏と腰に響く。

やっとスキー場についた。

後もう少し。



丁度1時間の車道歩きで15時43分第7ヘアピンに着いた。

雪の深い時の夫婦池からのトラバース道は本当に歩きにくかった。

稜線を通る冬道が別にあるのかもしれない。

今日は10数年ぶりに塔の丸を歩くことが出来た。

眺望もあまりなかったが、三嶺も次郎笈も顔を出してくれた。

トラバース道は歩きにくかったがまたそれも良い経験となった。






帰ってから調べると、やはり冬道はトラバースを通らずに稜線を歩くようになっているようです。

微かなスノーシュー跡を辿れば良かったようです。



青い線が尾根を行く冬道




里山倶楽部四国編 

ホームページにも是非お立ち寄りください