冬の里山 剣山 一の森  204/01/02
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 雪タップリの剣山、一の森 -


毎年恒例の新春の剣山雪歩きに出かける。

剣山頂上ヒュッテのブログによると今年は大雪だそうだ。

車道も十分には除雪されていないとの記述もあった。

早速先日購入したタイヤチェーンの出番かな?



所が第一ヘアピンの辺りも雪は無い。

第2ヘアピンの手前で先行車がチェーンを装着していたので私もチェーンを装着することにする。

しかし、中々うまくいかない。

先日の国見山では簡単に装着できたのに?

(ゴムバンドの付け方が反対でした。3日立つと忘れてしまうのは歳のせい?)

巧く装着できないので緩んでいるらしく異音がするので、止まって締め直そうと思ったが後続車がやってきた。

所が除雪されているのは道の真ん中だけで車を避けるスペースが無い。

可成り走ってやっとスペースを見つけて駐車。

チェーンを見ると案の定緩んで外れ掛かっている。

締め直して走るがまた緩んでいるような感じがする。

??

やっと緩み止めのゴムバンドを反対に付けていることに気が付いた。

スキー場から夫婦池の間は雪が多くて対向するスペースも殆ど無い。

対向車が来ると嫌だなと思いながら走ると見ノ越手前では雪が解けて路面が露出している。

ふと見上げると次郎笈が真っ白に輝いていた。



チェーンを付けている間に沢山の車が通り過ぎて行った。

見ノ越の駐車場は満車状態

駐車場は大晦日には1m以上の雪だったそうだが今日は綺麗に除雪されていた。



早速準備して出発。

車道から剱神社に登るところも積雪が深い。

剱神社で気温は-4度

剱神社に今年も無事に山歩きが出来ますようにとお願いして、9時22分 登山口を出発。

若いご夫婦が剣山は初めてだがこんなに雪が積もっているとは知らなかったと驚いていた。



登山口の祠の屋根にも1m位の雪が積もっている。

トンネルの上つまりリフトの下を歩いている足跡が残っている。



登山道は踏み固められていてとても歩きやすい。

若いご夫婦は流石にスピードが違うドンドン先に進んで行ってしまった。

うっかりして尻セードの跡を登山道と間違えて登っていく。

尻セード跡は急で雪が踏み固められてなく、膝上くらいまで沈んで喘ぎながら這い上がる。

1600mの標識辺りからは一本道。



暮れから3日程の間に大勢の登山者が歩いたようで全く壺足にもならずスイスイと登ることが出来る。



西島神社の所でご夫婦に追いつく。

凍ると滑る岩場も雪の下に隠れている。



分岐の道標も雪に埋もれていたらしいが掘り出されている。

見上げると剣山山頂が真っ白。



朝日を浴びて次郎笈が白く輝いている。

雪が多いのか今年の次郎笈は特に真っ白。

綺麗だなあ!!

西島駅への道も夏道が何処にあるか解らない程積雪が多い。



西島駅下から三嶺を眺める。



大剱神社への道はトレースがあるが次郎笈へのトラバース(遊歩道)はトレースが無い。

大雪の時にはこのトラバースは危険だから誰も歩いていないのだろう。

西島駅前で女性と良い天気ですねと話していると釋護法さんが現れた。

なんと、単独だと思われた女性は釋護法さんの奥様だった。

丁度3年前の正月にこの西島駅でお会いして以来だ。

しばらく色々と話をさせて戴く。



ご夫婦と一緒に頂上に向かう。

西島駅から上がった直ぐに長靴の3人連れの男性からHP見ていますよとお声掛け戴く。

ありがとうございます。

トレースが確りしていて、雪は深いが踏み跡が固まっていてとても歩きやすい。

しかし、トレースを外すとずぼっと落ち込む。



綺麗な風紋は深い足跡が横切っていて美しさは半減だが、お正月は登山者が多いのでやむを得ない。

その分歩きやすくて楽ちん。

振り返ると丸笹山から赤帽子山への稜線。



穴吹川の流れる木屋平の町やや高城山はガスっている。

三嶺も上空は青空だが山頂付近が霞んでいるのが残念だ。



数年前の大雪の日に撤退した場所の雪の塊も良く踏まれていて上を乗り越えていくことが出来る。


変化のある雪の造形美を楽しみながら登っていく。



10時33分 刀掛けの松着。

所がベンチや標識は完全に雪の下。

かろうじて猿田彦命を祭る枝折神社の赤い屋根だけが顔を出している。

もう少し雪があれば完全に隠れてしまいそうだ。

お地蔵さんも側にあるはずなので踏まないように避けて通る。

積雪は1m以上有りそうだ。

しばらく休憩して出発。



刀掛けの松から上は夏道の左の花畑やヤブウツギの林の中にトレースが続いている。

一寸罪の意識を感じるが大雪なので許されるかとトレースに従って進む。



夏道に復帰して進むと一の森が覗いている。



樹林帯を抜けて笹原の広がる辺りに来ると雪の広場のようになっている。

見下ろすとシコクシラベやダケカンバなどが真っ白に雪を被っている。

その向こうに高城山。



頂上へ400mの標識の上まで雪が積もっている。



霧氷の綺麗なトラバース道は完全に雪の下。

右へと笹原の上にトレースが付いている。



階段も雪に埋まっていたのを掘り出したのか両側は雪に埋もれている。

階段上も雪の壁のようになっていてよいしょと上る。



シコクシラベが立派なモンスターになって綺麗だ。

モンスターの下には足跡は付いていない。



頂上ヒュッテに向かって一直線に登って行く。

此処には大剱神社からの登山道が横切っているのだが完全に雪に埋もれている。

大剱神社からのルートは足跡が無く誰も歩いていないようだ。

やはり大剱神社からの登山道は大雪の時には厳しいのだろう。

向こうに三嶺が聳えて居るのが見える。



雲海荘に向けて一直線に登って行く



剣山山頂西のテラスが目の前に見える。

此処から直に登っていきたい欲望が湧くが非常識のように思えるので断念する。

東のテラスにはピンクのジャケットの女性と男性が見える。



トレースに従って真っ直ぐ登っていくと雲海荘の横に着いた。

宝蔵石神社の祠も真っ白。

こんなに完全に真っ白なのは初めて見る。



頂上部は丁度木道の高さと同じくらいの積雪。

あんなに車があったのに登山者は殆ど居ない。

横の木道から朝会ったご夫婦がやってきて「こんなに広い頂上は初めて見た」と感激していた。



西のテラスでは数人のカメラマンが寒さを物ともせず撮影の最中。

三嶺方向を熱心に撮影されているご夫婦が居た。

帰ってから「ハイジとノンビリお山歩」の四葉さんご夫妻だと解った。

徳島の山を沢山歩かれて素敵なレポートをブログにアップされています。



とても綺麗な風紋が出来ている。


雪原を歩いているようで気持ちが良い。

何時もなら強風で耳がちぎれる程痛いのだが今日は無風で快適。



頂上に近づくと木道は完全に雪に埋もれている。

近年これだけ積雪が多かったことは無かった。

大きなエビの尻尾も出来ている。



ライブカメラの塔と方位盤

ベンチも半分雪に埋もれている。



目の前に広がる大パノラマ



素晴らしい眺望を楽しむ



三角点のある山頂標識や石積みは完全に雪の下。

積雪量は1.5m位かなあ。

11時8分 剣山頂上着。



若いご夫婦と二組だけの静かな山頂で思う存分眺望を楽しむ。

こんなに楽に登れる山で、このような素晴らしい眺望が得られることに感謝。



記念撮影してから次郎笈がよく見える岩場まで下りていく。



次郎笈へ向かっている人影が何人か見える。

家内は行きたそうだがこんなに雪が深いのでは大変と断念する。

若い男性が登ってきた。

また頂上に引き返すと丁度釋護法さんご夫妻が到着。

記念撮影をしてからお先に失礼する。



さてヒュッテで昼食と思っていたら家内が一の森に行きたいと言う。

と言っている間にもう東のテラスから下りてドンドン進んでいる。

トレースが確りしていれば大丈夫かな?と後に続く

11時31分出発。

右は釋護法さんに私達を写して戴いた写真をお借りしました。



所が、トレースは何時もホソバシュロソウなどが咲いているトラバース道から離れて稜線に向かっている。

雪が柔らかくて足が沈み歩きにくい。

家内に追いつくのが大変。

その内に先ほど次郎笈からやってきた青年が追い越していった。

ピークで一休みして次郎笈を撮影。

お腹がすいたのであんパンを頬張る。



経塚森はやはり夏道から外れて尾根道を進む。

鹿除けのネットが雪に埋もれていて何処を歩いているのか良く解らない。

経塚森からの下りは笹の上にトレースが付いていて、しかもも雪が緩んでいて時折ずぼっと抜ける。

家内は沈まないので、続いて足を踏み出すと笹まで踏み抜いて腰の辺りまで沈む。

片足だけ踏み抜くと見事に転倒する。

転倒すると起き上がるのが大変。

何度か目に横に転倒した拍子にアイゼンの歯が脹ら脛に当たった。

スパッツが破れたがパンツまでは破れなかった。

それでも痛みにしばらく立てなかった。

(帰って見ると脹ら脛が2㎝程切れて血が出ていた)

もうやめようと言うが家内はドンドン下って行ってしまう。



その内に一の森からスノーシューを履いている男性がやってきた。

雪が柔らかくてスノーシューでも歩きにくいと言う。

しばらく行くと先ほど追い抜いていった青年が引き返して来た。

壺足で大変なので引き返して来たらしい。

私達も此処で引き返そうと家内に提案するが、こんなに良い天気なのに勿体ないと言う。

それなら二ノ森まで行って引き返そうと言うと渋々納得した。

二ノ森までの一寸した登りも息絶え絶えで登って行く。

スノーシューが欲しいなあ。



二ノ森神社も半分埋まっている。

12時15分二ノ森着。



さて帰ろうかとするが、家内はすねたようにして動かない。

樹木の間から一の森が直ぐ近くに見える。

こうなったら仕方が無い一の森まで行ってみるか。

しかし、帰りの登りを考えるとうんざりする。

下り始めると雪は深いが下は岩の道なので踏み抜いて転倒するようなことは無い。

雪が柔らかくて深いので家内も沈んで歩きにくそうなので私が先に進む。



森林地帯を抜けるとトレースが夏道よりかなり右下についている。

遭難碑や分岐の標識が左上に見える。



一の森頂上から男性が下りてきた。

日に焼けて真っ黒だ。

雪山を多く登っておられるのだろう。

頑張ってとの励ましを背に一の森へと登り始める。

雪の急坂はキツイ。

一歩一歩、何くそと足を運ぶ。

一つ目のピークでほっと一息をつく。



振り返ると次郎笈、剣山そして矢筈山、丸笹山と素晴らしいパノラマ。

一気に疲れが取れる。



最後も頂上への一直線の登り。

急坂の柔雪にアイゼンが効かず何度か膝をついて登った。

やっとの思いで一の森山頂着。

12時50分。

剣山から一の森に来るのにこんなに疲れたのは初めて。



一の森から剣山、次郎笈の眺め



一の森頂上は風も無く寒くない。

雪の上に座り込んで昼食。

目の前に高城山へと続く稜線や木沢の山々が美しい。



食後の温かいコーヒーをユックリ楽しんで剣山に引き返す。

若い男性とワカンの男性が二ノ森から下りてきた。



来たときよりも踏み跡が多くなり歩きやすくなった。

トレースに従って登っていると何かおかしい。

とうとう右の崖に出てトレースが消えていた。

少し引き返して元来た道に復帰。

なんとか二ノ森に帰ってきた。



二ノ森を下りると経塚森までの広い雪原歩きを楽しむ余裕が出てきた。



経塚森への登りは多くの人が歩いたので歩きやすくなっていた。

もう踏み抜くことは無い。

雪が深くても5~6人が歩くと後は楽になるようだ。

後は剣山まで登り返すだけ。



経塚森から剣山へ



何故か足が軽くなってドンドン登っていくことが出来る。



青空に向かって素敵な登りが続く。



まるで天国へ向かって登って行くようです。



東のテラスまで帰ってきた。

14時29分



ヒュッテ横の温度は-5度



ヒュッテの裏庭にはまだ1m位の積雪が残っている。



ヒュッテに立ち寄り飴湯を注文。

温かい飴湯に生き返る。

その内に新居さんがビデオ撮影から帰ってきた。

三代目や四代目もやってきて新年の挨拶をする。

今年もよろしくお願いします。

年越しは40人程が剣山国定公園50周年記念で盛り上がったそうだ。



随分とユックリして15時21分下山開始

鳥居が1/3くらい埋まっている。



賑やかな声がして若い人達が大勢登ってきた。

今夜はヒュッテ泊まりらしい。

挨拶する声が弾んでいる。

素晴らしい雪景色にはしゃいでいた。



丸笹山と赤帽子山に向かって下って行くとあっという間に刀掛けの松に着く。


雪の下りは楽しいなあ

そりセードを大勢が楽しんだようで歩きやすい。



更に一下りで西島駅

大きなカマクラが作られていた。



休憩中のご夫婦にご挨拶して休まずに下って行く。

次郎笈のトラバースには足跡は無かった。

今日は誰もトラバース道を通らなかったようだ。



途中で子供達が大勢でプラスチック製のソリで滑りを楽しんでいた。

登山路はまるでボブスレーのコースのようになっている。



賑やかな子供達の後について下りていく。

16時8分登山口に着く。

なんとヒュッテから47分で下山できた。

何時も下りが遅い私達にしては新記録。

雪道の下りは楽ちんだなあ。



駐車場の車は殆ど帰って少なくなっていた。

帰りには、今頃上ってくる車は居ないだろうと思っていたが何台も登ってくる。

対向の度にバックして真っ暗になって貞光まで帰る。

何時もは混んでいる国道も正月の所為かスムースに走って帰宅した。

今日は素晴らしい新春の剣山を十分に楽しんだ。

今年も素晴らしい山歩きをすることが出来そうだ。





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