秋の里山 木曾御嶽山 御池巡り 2013/09/13~14
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そのⅡ

そのⅢ




今年も秋の連休がやってきた。

来週の秋分の日あたりが紅葉には最適だと思うが、野暮用があり山には行くことが出来ない。

ちょっと紅葉には早いが、秋のアルプスに出かけることにした。

所が日曜日は天気が悪い。

金曜日は休みなので、金、土曜日の二日間で歩ける山を探す。

そう言えば御嶽山には観光旅行で寄っただけで頂上には登っていない。

先日、BS-TBSの日本の名峰・絶景展望で紹介されていた5ノ池小屋にも行ってみたい。

と言うわけで朝2時30分自宅出発。

中津川インターを降りて、田の原登山口(標高2,160 m)を目指す。

所が寸前で家内が、御岳最古の登山道と言う黒沢口の中ノ湯駐車場(標高約1,840m)から登りたいと言い出した。

私は少しでも楽な方が良いと思っていたのだが、逆らっても仕方が無いので途中から御嶽ロープウェイ方向に進む。

霊峰ラインには数多くの霊場が続くが無数の霊神碑が不気味でもある。



自宅から6時間半程走り続けて中ノ湯駐車場に着く。

先着車は8台程。

6合目中ノ湯のバス停がある。

御嶽ロープウェイ線が走っているが、オフシーズンには運休か土日だけ運行なので注意が必要。

8時55分出発。

立派な小屋(待合所?)があるが閉まっている。



明日下ってくる予定の三の池から女人堂までの道は土砂崩落で危険と書いてある。

登山案内板がある。



シラビソとダケカンバの林の中を進む。

登り初めて直ぐに6合目中の湯がある。

良い湯らしいが今年は閉まっている様だ。

もう営業しないのかな?



小屋裏手に開清行者を祀った小さな祠がある。

古くて傷んだ木の階段道が始まる。



ナナカマドの実が赤くなっている。

木曽御嶽の民間伝承薬「百草丸」の製造元である日野製薬出張所があるが閉まっている。



ゴゼンタチバナの赤い実が可愛い。



シラタマノキの白い実も目立ってくる。

9時21分6合目と7合目の中間間地点の標識通過。



?の黒い実とタケシマランの鮮やかな赤い実



2日程前にお高越山に登った疲れが取れていない。

脹ら脛が早くもパンパンに張ってくる。

頂上まで後4㎞の標識。



オオカメノキの赤い実を見ながら登って行くと、足下にもうツルリンドウの赤い実が出来ていた。



御嶽山八海山支店の小屋があるが此処も閉まっている。



小屋の裏には祠があり釣鐘を木槌で叩くと澄んだ音がした。



2,000mを越えると階段歩きが嫌になってくる。

オヤマリンドウが沢山咲いている。

濃い紫色だが、花冠裂片が余り開かないので開花時も蕾のように見える。



ようやくロープウェイ乗り場分岐に着く。



真新しいトイレを過ぎると7合目行場山荘に着く。



行場山荘は御嶽山の七合目 標高2,180mにある森の中の山荘だ。

9時55分着 出発から丁度1時間。

標高差350m程


これが名物「力餅」

きな粉と小豆の二種類ある。

食べたいけれど家内は立ち止まらない。



歴史を感じさせる木造建築で、きちんと手入れされており、雰囲気が良い。

昔の宿場町の雰囲気がする。



行場小屋と向かい合うようにして覚明霊神を祀った霊神場がある。

広場に休憩している人達がいるので挨拶すると

「あなたたち何処まで行くの?8合目まで?」

と聞いてくるので、「頂上に行ってから二ノ池か五ノ池で泊まる予定です」と返事する。

すると、全員が「そんなの無理。頂上下には雪が残っていてとても行けない。私達も引き返して来た。」

「雪??」

「それに頂上までは凄い急坂で大変だよ」とも言う。

どうも私達がロープウェイで来た観光客だと思っているらしい。

昔は、あちこちの山でよく言われたが、最近は登山者らしい格好が身についてきたと思っていたのに。

そう言えば、最近私は太ってきて益々お腹が出てきている。

「注意して行ってきます」と失礼する。

それにしても「雪」は無いと思うのだけれど。



登山道脇にはオヤマリンドウが多い。

ナナカマドの赤い実も目立つようになる。

オオシラビソの林の中を登って行く。



百間滝からの道と交わる。

ご夫婦がもの凄い勢いで追い越して行った。



頂上まで3㎞の標識

「即身 明 行者 行場」の標識がある。

山嶽仏教開創の覚明は四国霊場を巡歴すること9回、のち土佐の山中で法験をえて御嶽山に入った。

天明7年(1787)、頂上の二の池の辺りで立往生をとげたといわれる。

その覚明の行場跡かもしれない。



やがてゴロゴロ石が出てくる。

八合目まで400mの標識

まだ遠いなあ。



ちょっとした広場があり先ほど追い抜いていった夫婦や若い人達が大勢休んでいる。

若い人達でも結構応えるようだ。

凄い荷物を背負った強力さんが降りてくる。



頂上まで2,200mの標識を過ぎるとやっと八合目女人堂に着く。

10時50分

女人堂は御嶽山八合目(標高2470m)にある山小屋で、その昔女性はここまでしか入山できなかったと伝えられている。

現在の建物は昭和10年建造。

古くは金剛堂と呼ばれていた。



目の前に御嶽山がドーンとそびえている。

此処からは標高差700m程だが随分と高く見える。



ナナカマドが色付き始めている。



イワギキョウが沢山咲いている。

八合目の石柱の後を右に行くと三の池へと登って行くことが出来る。



三ノ池からの道が通行可なら周回が楽なんだけれど。



女人堂の直ぐ上には阿波ケ岳霊神場があり、『西国開基』と記された鳥居と『西開霊神』『西覚霊神』の像がある。

1861年(文久1年)、四国の御嶽講の開祖の一人とされる西覚らが登拝していたところ、国常立尊および白川大権現より、八合目金剛童子を阿波行者のために与えるとの託宣が下されたことに由来する。



沢山の阿波の人達の霊神碑が設立されている。

御嶽教と阿波とのつながりが強いことに驚く。

昔、藍商人などが御嶽教を伝えたのだろうか。

今でも徳島の石井に白川神社があり「阿波福寿講」が盛んであるとも言われている。

阿波福寿講では、信仰を専業とせず生業は別に持つなど江戸以来の御嶽講の基本的な在り方を継承している。

夏山登拝を最重要行事とし、夏山登拝の前行を重視、「千座一人前」の御座行の教えを守っているとか。

今年の3月10日に登った鳴門の天ヶ津峰の御嶽神社もつながりがあるのだろう。



ちょっと早いが岩に座って昼食タイム

食後、いよいよハイマツ帯に入って行く。

11時3分 

タカネオトギリが満開。



頂上まで2,100mの石柱を越すと背の低いナナカマドやヒョウタンボクの赤い実が目立つようになる。



キソアザミはもう花が終わっている。

此はユキザサの実かな。



女人堂を振り返る。

昭和54年の噴火の影響で白骨化したダケカンバが多い。



ナナカマドの赤い実が綺麗だ

明心霊神と明寛霊神像



温和なお顔の金剛童子像



霊場にはイワギキョウが沢山咲いている。



シロタマノキ能代意味はつぶすとサロンパスの匂いがする。

真っ赤なコケモモの実は食べてみるとまだ酸っぱい。



立派な『御嶽全山総霊神之碑』

もう少し登ると鳥居があり、『刀利天皇像』と記されていた。



ツリバナのような変な実が沢山有った。



火山岩の黒い岩が多くなると突然見晴らしが良くなる。

一面のナナカマド



一瞬ガスに包まれ何も見えなくなる時もあるが青空も広がる。

火山岩のザレた道になり、弘法大師像に出る

釣鐘を叩くと澄んだ音がする。



ハイマツや笹に覆われた手前の山稜の上に岩肌の山が、幾分ガスに埋もれて聳えていた

山小屋らしき建物が二つ見える。

下の山小屋は九合目石室山荘かな。



ハイマツ帯を石室山荘に向けて登って行きます。



オンタデが黄葉している。

頂上まで1,400㎞の標石

まだ遠いなあ。



石室山荘までもう少しです。



いよいよ山小屋が大きくなってきたがなかなか着かない。



大きな岩を回るともうすぐ



ヤマハハコがまだ咲いていた。



山小屋を通らない道もあるが山小屋へと向かう。



石室山荘 12時13分着。

100円払ってトイレをお借りする。



展望台へは立ち入り禁止のようだ。

山荘の中は広くて両側に畳が敷かれた真ん中に通路がある。

なんとこの通路は県道だそうだ。

綺麗な奥様とご主人に五ノ池山荘までの時間をお聞きする。

此処から頂上まで1時間それから1時間?で着くという。

(二ノ池山荘と聞き間違えたようだ)

この小屋では素晴らしい眺めを楽しみながら風呂に入ることが出来るそうだ。



小屋を出るとまた山道となる。

まだ此から1時間も掛かるのかと思うとうんざりする。



団体が昼食中。

この方達とはまた後でお会いすることになる。

でかい山荘が頭上に見えてくる。



此処がまだ9合目なのか。

12時29分

8合目から1時間半程かかっている。



這い上るように急坂を登ると覚明堂休泊所に着く。

12時32分

此処でも100人程が宿泊できる。



覚明堂は覚明の墓所。

覚明像がある。

覚明の死後、遺骸はしばらく二ノ池湖畔に奉安されていたが、のち二ノ池より九合目の岩場に埋葬。

のち覚明堂が創建される。



少し登ると二ノ池・三の池分岐がある。



やっと緩やかな道となり突然目の前にコバルトブルーの二ノ池が広がる。

二ノ池の横には。まだ雪渓が少し残っている。



矢印の場所から二ノ池を見る。

二ノ池から黒沢口へと帰る時はこの地点を通る。



しばらく登っていくと王滝・田の原分岐

この上から二ノ池へと降りる道がある。

大勢が二ノ池に向かっている。



左下に王滝頂上山荘が見えていて登山者が剣が峰頂上に向かっているのが見える。

私達は、最後の苦しい登り。

御嶽山には、王滝頂上、飛騨頂上そして開田頂上と3つの頂上がある。

3つの頂上は各登山ルートの頂上であり、所謂「てっぺん」ではない。

王滝頂上(2936m)は田ノ原からの王滝ルートの頂上だ。



ゴタゴタと山荘の建っている剣ヶ峰山頂直下に着く。

剣ヶ峰山荘旭館がある。



王滝方面から登ってきた所に広場が有り大勢が休憩している。



剣が峰山荘の直ぐ上に頂上山荘がある。

ピンバッチとよく冷えたC・Cレモンを購入。

二人で一気飲み。

疲れが吹き飛ぶ。



長い82段の階段を上って剣ヶ峰山頂の御嶽神社頂上奥社本宮に着く。

13時3分着。

登山口から4時間8分掛かった。

丁度ガイドブックなどの標準タイムで上ることが出来た。

此処は黒沢御嶽神社の奥宮となる。

9月3日に閉山祭が行われたので社務所は閉まっている。

奥に本殿がある。


剣ヶ峰頂上からの眺め



狛犬が本殿を守っていた。

本殿の横には面白い顔の祭神(国常立尊・大己貴命・少彦名命)が祀られている。

御嶽山頂上は殆どが御嶽神社の境内にある。



一等三角点「御岳山」3,063.4mがある。



二ノ池をバックに記念撮影

頂上直下には水の無い赤茶けた一の池が広がる。

昭和54年の噴火の痕跡があり硫黄臭が漂っている。

水も緑もなく、異次元の世界へ降り立ったような感覚にさせてくれる。



トルコブルーの二ノ池は日本一高所にある高山湖だ。

 楕円形をした池は面積2ha.水深3.5m。

火口壁には万年雪が残っていて、一ノ池からの流水とともに二ノ池の水源になっている。

 二ノ池の水は酸性度が強く、そのためトルコブルーに輝く神秘的な色をしている。

湖畔には二ノ池小屋があり、少し賽の河原寄りに二ノ池新館があるのがよく見える。



いつの間にかまたガスが湧いてきた。

先ほどお会いした団体さん達が上ってくるのが見える。

さあこれからお鉢巡りに出かけよう。

そのⅡ

そのⅢ




一日目

中ノ湯 ~ 剣ヶ峰 ~ 五ノ池山荘

累計標高差 +1,476m -482m

歩行距離 9.59㎞


二日目

五ノ池山荘 ~ 継子岳 ~ 中ノ湯

累計標高差 +329m -1,323m

歩行距離 9.1㎞


合計

累計標高差 ±1,805m

歩行距離 18.69㎞




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