秋の里山 八ヶ岳  2013/10/11~13
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硫黄岳爆裂火口

八ヶ岳山小屋リンク

動画は全てフルハイビジョンで見る事が出来ます。

そのⅡ

そのⅢ


今年の紅葉は何処へ見に行こうかと楽しみにしていたら、突然膝を壊して高い山には行けなくなった。

ヒアルロン酸の関節注射とリハビリ歩きで何とか痛みは引いたが無理は出来ない。

掲示板にぽとふさんから日帰りで八ヶ岳の硫黄岳に登ったとのレポートを戴いた。

硫黄岳ならノンビリと紅葉見物が出来るだろう。

出来ればオーレン小屋泊で隣の天狗岳にも立ち寄ってみたい。



八ヶ岳全景

八ヶ岳は、フォッサマグナの中にあり、火山活動によって形成された山群だ。

フォッサマグナの西側は糸魚川-静岡構造線と呼ばれる断層で、南アルプスの東北端にあたる。

ここに、フィリピン海プレートが突き刺さって、大きく湾曲している。

最高峰の赤岳と阿弥陀岳の付近から噴火活動が始まった。

それに続いて北八ヶ岳一帯、蓼科山が噴火し、最後に硫黄岳が爆発して、八ヶ岳の原型が誕生したとされている。

古阿弥陀岳の爆発前は富士山よりも標高が高かったとも言われている。



所が家内が八ヶ岳に行くのなら赤岳と横岳に登りたいと言い出した。

赤岳と横岳は結構険しい山だと聞いている。

北八ヶ岳は、蓼科山や北横岳などの比較的斜面がなだらかで岩場が少なく樹木や白駒の池等の湖が多い。

南八ヶ岳は、赤岳(2,899m)をはじめ、権現岳、硫黄岳、阿弥陀岳等の厳しい山が連なる。

膝が完治していない私にはちょっと厳しいかもしれない。

しかし家内は言い出したら聞かないのでネットでルートを調べる。

美濃戸口から赤岳鉱泉経由で硫黄岳、横岳そして赤岳に登って行者小屋経由で登山口に帰ってくるコースが人気らしい。

逆コースもあるがこのコースなら富士山を見ながらの稜線歩きを楽しめるそうだ。



所が連休の天気がハッキリとしない。

気象庁の天気予報では長野中部は金、土曜が雨50%、日、月は快晴。

しかし、他の詳細の天気予報では茅野地区は金曜日は朝9時から晴れるとなっている。

日、月に行けば間違いないと思うが山荘や駐車場は大混雑だろう。

特に徳島から走っていくと到着はどうしても8時過ぎになるので休日は駐車するのが大変だと思われる。

と言う事で金曜日出発に決定。

朝2時半に自宅を出発。

休憩無しに諏訪南インターから美濃戸の「やまのこ村」の駐車場を目指す。

念のために昨日駐車場を予約しておいた。

平日というのに結構車が停まっている。

二日分2千円を支払って出発。

9時25分

標高1720m

此処からまずは赤岳鉱泉(標高2,300m)を目指す。



ダケカンバが黄葉し始めていて綺麗だ。

直ぐ上には赤岳山荘の駐車場がある。

こちらも今日は車が疎らだが休日には道路脇まで満車になるらしい。



更にその上には美濃戸山荘が有り既に下山してきた人達が寛いでいる。

此処の駐車場は宿泊客以外は停める事は出来ない。



まずは北沢から赤岳鉱泉を目指す。

整備された車道を進む。



トリカブトが咲いている。

この辺のトリカブトはホソバトリカブトと言うらしい。

コメツガに混じってダケカンバの黄葉が美しい。



今頃ヤマホタルブクロが咲いている。

山の神様にお詣りして進む。



見上げると色とりどりの錦絵のようだ。



標高が上がるとナナカマドの紅葉が始まっている。



柳川北沢の水量は豊かで透き通るような流れだ。

沢山の車が停まっているが山小屋関係の人達の駐車場のようだ。



やがて堰堤広場に着くとナナカマドの実が真っ赤。

10時25分

此処まで丁度1時間



堰堤広場を過ぎると車道は終わり登山道となる。



何処までも黄色に染まった山肌が続く。



この様な橋が11カ所にあるらしいが増水した時はこの橋の直ぐ下まで水が来るようだ。

先日の台風の豪雨で流された枯れ木等が挟まっている。

それにしても見事なナナカマドだ。

剣山などにもナナカマドは多いがこの様に見事な実を付けたのを見た事が無い。



何度も何度も川を渡る。

登山道や橋は整備されていてとても歩き易い。

ハイキング気分で沢の流れる音や景観を楽し見ながら歩く。



苔むした森を抜けると川の流れる広場に着く。



ガスが次々と流れて横岳と大同心が姿を現した。

凄い迫力だ。

あの険しそうな稜線まで登っていくのか!



激しくガスが流れる大同心を見上げる



登山道直ぐ横に小さな沢が流れて居る。

写真の様に、赤い沢だが鉄分でも含まれているのだろうか。

若い男女の二人連れが急ぎ足で追い越して行った。

何処かの山荘のスタッフのようだ。



見上げると横岳が屏風の様だ。



11時33分 赤岳鉱泉着

抜けるような青空

今日来て良かったと話し合う。

山荘前には冷たい水が飲み放題だ。



あの険しい稜線を歩くのかと思うとわくわくする。



赤岳冷泉前から見上げる赤岳と阿弥陀岳



岩に腰を掛けて少し早い昼食。

4人の男女が下山して来て、口々に今朝はガスと強風で散々な目に遭ったと言っていた。



赤岳温泉は風呂と食事が素晴らしいらしい。



しばらく休憩してから出発。

大同心沢への分岐がある。



大同心へは上級者コースでロープが通せんぼ。

ジョウゴ沢を過ぎる。

硫黄岳山荘はこの沢から水を汲み上げているらしい。



30分程樹木帯を歩くと階段が出てくる。

眼下に原村?が見える。



コイワカガミの葉の色が変わっている。

赤岳鉱泉までの道と違って急坂となる。



樹木の間から大同心と横岳山頂が見える。



樹林帯を抜けてハイマツ帯に出る。

所がなんと言う事だ。

ガスが出て真っ白



結構長く感じる山道を踏ん張って赤岩の頭2,656mに着く。

此処は峰の松目への分岐となる。



直ぐ下に白い砂地の分岐が見えて女性が3人休憩している。

白い砂地の部分が右側に削れているが、ここは積雪期に雪崩が発生しやすいところだそうだ。



この女性達はオーレン小屋経由でやってきて硫黄岳に登って今夜はオーレン小屋泊まりだとか。

オーレン小屋はお風呂があって夕食は桜鍋だとか。

峰の松目が直ぐ向こうに見える。



諏訪湖が霞んではいるが大きく見える。

三人の女性の後を私達も登って行く。



硫黄岳に少しの登った所から振り返る。分岐の先が赤岩の頭。

左奥のてっぺんがガスに巻かれているのは阿弥陀岳だ。

その奥には南アルプスが見えるはずだが霞んでいて見えない。



峰の松目から右へと稜線を辿ると天狗岳が見える。

右下には赤岳鉱泉が直ぐ近くに見える。



硫黄岳から右へと稜線を下った所に硫黄岳山荘の青い屋根が見える。



コケモモの赤い実が残っていた。



特徴有る岩を巻いて行く。

ローソク岩と言うらしい。



ケルンが沢山有り頂上に導いてくれる。

硫黄岳頂上に着く。

硫黄岳頂上はなだらかな広場となっていてとても広い。



小さな避難小屋がある。

この山は夏には落雷が多いそうなのでこの様な小屋があると助かる。

13時51分 硫黄岳山頂着

標高2,760m。

9時25分に駐車場を出発して4時間26分掛かっている。



眼下に峰の松目から天狗岳へと繋がる稜線が見える。



頂上の端に行くと突然切れ落ちていて爆裂火口が口を開いている。

凄い迫力だ。

湾曲した馬蹄形の断崖は直径が約1キロもあり、山頂と火口底の標高差は550メートル余ある。

爆裂火口壁は凝灰角礫岩と溶結凝灰岩によって構成された絶壁で、山頂部の縁に立ってみると足がすくみそうになる。



風が強いので余り端に寄る事が出来ない。

よろけて落ちるとそのまま500m程転がり落ちる事だろう。

ストックでよろけないように確保して覗き込む。



強風によろけながら、爆裂火口を必死の思いで覗き込んで撮影しました。



今日は赤岳展望荘まで行って泊まるつもりだったが横岳や赤岳はガスの中。

おまけに風が強くなってきた。

ガスで見えない強風の中を横岳の岩稜地帯を歩くのは嫌だ。

(吹き上げる西風の影響などから濃霧に見舞われやすく、道を見失って迷ったり、落石、転落、スリップのおそれがある)

今日は硫黄岳山荘泊まりにしよう。

そうとなれば時間があるので爆裂火口の端をグルッと向こうの端まで散策。

夏沢峠に青い屋根の小屋が見えている。



八ヶ岳の中で一番新しい爆発をした硫黄岳だが、凄い爆発だった事が想像できる。

この山の真下にはフォッサマグマの灼熱した溶岩が次の爆発のために力を蓄えているのかもしれない。



峰の松目の斜面にも白い火口が見える。



行き止まりまで歩いたがこの先は崖が崩れ落ちそうになっている。

その内に崩れ落ちるのだろうか。



引き返して硫黄岳山荘に向かう。

横岳や赤岳はガスが強烈な早さで流れて居る。

稜線は強風が吹いているようだ。



強風に足を取られながら下って行く。



硫黄岳山荘は昔石室と呼ばれていて、強烈な西風の影響を避けて稜線の東側の下に隠れるように建っている。

小屋の周りは高山植物の鹿除けの為の電気柵が張り巡らされている。



硫黄岳山荘  14時54分 着

小屋の上にはコマクサ神社がある。



硫黄岳山荘はとても綺麗に改装されている。



一泊二食で9,000円だが、モンベルカードを持っていると500円引きとなる。

二階の大広間は二段となっていて布団がビッシリと敷かれている。

明日は予約で満員だそうだ。

若いスタッフが3人程働いていた。



有料シャワーにウオッシュレットのトイレ



洗面所の水も飲む事が出来る。

夕食まで食堂で休憩

家内はドリップコーヒー私は地酒を楽しむ。

別に談話室もあるが今日は宿泊者が少ないので閉めてある。

他には東京から来られた女性の4人組だけ。



色々な記念品などが並べられている。

此はコマクサの絵かな。



夕食はオーナの畑で取れた野菜等で豪華で美味しい。

この後サービスで山菜の天ぷらが出た。

地ビールの「よなよなエール」はフルーティでとても美味しかった。



皇太子殿下も泊まられた事があるらしい。

若い時の写真が貼ってあった



山荘周辺には八ヶ岳特有の高山植物が多く咲くらしい



この山荘のご主人はや高山植物保護に尽力されているようだ。

結局、今日の宿泊は私達の他には4人だけだったようだ。

200人も泊まる事の出来る大部屋には明日からの三連休のためにビッシリと布団が敷かれている。

この山荘ではどんなに混んでいても布団一枚に一人と決められているらしい。

敷き布団は少し幅が小さくなっている。

何処に寝ても良いので家内は私のいびきが聞こえないようにと離れて寝てしまった。

消灯は8時だったが、明日天気が良い事を願ってその前に爆睡。

所が夜半過ぎに二重ガラスの窓がガタガタと音を立て始めた。

強風が吹き荒れているようだ。

明日の朝には収まりますように。



歩行距離 10.8㎞

単純標高差 1,062m

累計標高差 +1,898m -836m (GPSの異常か?数値が大きすぎる)

総歩行数 22,089歩

行動時間 5時間46分(休憩含む)


そのⅡ

そのⅢ


里山倶楽部四国編 

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