夏の里山 爺ヶ岳 鹿島槍ヶ岳 岩小屋沢岳  2013/07/21~22
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 冷池山荘から鹿島槍ヶ岳往復 -

 Ⅰ 前泊

Ⅱ 扇沢~種池山荘

Ⅲ 種池山荘 ~ 爺ヶ岳 ~ 冷池山荘

Ⅴ 冷池山荘 ~岩小屋山沢岳 ~ 下山



天気が崩れない内にと、サブリュックに食料と水を放り込み鹿島槍ヶ岳に向けて出発。

出かけに支配人に鹿島槍まで往復することを告げる。

鹿島槍に山岳救助隊の新人が行ったまま帰らないので早く帰るように伝えてくれと言われる。

岳のブルーの制服らしい。

13時丁度出発。

標高2410m

鹿島槍ヶ岳 標高2,889mまでは単純標高差479m。

累計標高差は600m程。

山荘の横からテン場に向かって登って行く。

テン場下から振り返ると可成りの高度感。

テン場からトイレなどで山荘に降りるのは大変そう。



10分程でテン場に到着

テントは2張り設営してあった。

テン場からはしばらくなだらかな道を行く。

目の前の鹿島槍ヶ岳は雲も無く綺麗にそびえている。



雪渓が融けたばかりの所では、大柄で派手なシナノキンバイやショウジョウバカマが今を盛りと咲いている。



ノウゴウイチゴも沢山咲いている。

コバイケイソウの向こうに鹿島槍ヶ岳。



残った雪渓を何カ所か越えて行く。

まずは鹿島槍ヶ岳の左手前の三角錐の布引岳に向かう。

チングルマが群生している。



ウラジロナナカマドやアオノツガザクラも



コイワカガミやヒメイチゲの花も至る所に咲いている。

ヒメイチゲは滅多に出会えないので嬉しい。



爺か岳ではもう散っていたハクサンイチゲも花の盛り。



キヌガサソウも群生している。

純白のキヌガサソウと少し赤紫がかったキヌガサソウがある。

受粉が終わりメシベが膨らみだすと、花びらの周りが赤紫に変化するらしい。



小さなアキノキリンソウが咲き始めている。

ミヤマアキノキリンソウかな?

布引岳への緩やかな登りにさしかかる。

たいした登りでは無いのに足が上がらない。



男性が降りてきて、鹿島槍までは結構遠くてキツイよと言って去って行った。

早くも一休憩する。

立山連峰の上に雲が湧いている。



若い女性二人が降りてきたが、疲れ果てているようで足取りが重い。

振り返ると益々雲が多くなっている。

早く登らなければ眺望が無くなってしまう。

鹿島槍から五龍岳や白馬鑓ヶ岳の眺望を楽しむことが今回の山行きの大きな目的の一つだ。



クロユリやハクサンフウロが咲いているが座り込んで撮影するのも疲れる。



14時6分 布引岳2683m 山頂着

山荘から約270mの標高差だが約1時間かかった。



嬉しいことに鹿島槍ヶ岳山頂の雲が晴れて青空が見えている。

山頂からの眺望も最高だろう。

早く行かなければと記念撮影もそこそこに出発。



山頂直下にはチシマギキョウの紫の花が咲いていて疲れた気持ちを癒やしてくれる。



布引岳からの下りはちょっとした岩場があり慎重に降りる。

タカネツメクサが群生している。



鹿島槍ヶ岳への登りにさしかかる。

種池山荘で先に出発した女性が降りてくる。

「あの見えているピークは頂上じゃ無いのよね。あと1時間ぐらいは掛かるけど雷も無いようだしユックリと登って」

と励まされる。

花を写して立ち上がろうとしたら目眩がして吐き気がする。

堪らず座り込んで休憩。

足下にイブキトラノオの花が咲いている。

水をタップリ飲んで出発。



イワオウギの花が一面に咲いている。

偽ピークに着くと目の前に鹿島槍ヶ岳南峰頂上が見えだした。



偽ピークからはまた単調な登り。

まだ目眩が直らず足が上がらない。

ダブルストックに力を込めて登るので両肩まで痛くなってきた。



青い制服を着た青年が下りてきた。

山荘の人が言っていた山岳警備隊の男性だろう。

私達を見て、北峰まで行くのですか?と聞く。

いいえ、南峰までです。

と答えると

「それが良いですよ。北峰まで行くと往復で1時間以上は掛かりますからね」

と言って去って行った。

振り返ると布引岳の向こうにガスが登ってきている。

急がなければ。

ミヤマキンバイとタカネツメクサが沢山咲いている。



ご夫婦が降りてきて、ご主人が布引岳からの下りで転倒して4回転ぐらいしたと傷だらけの足と手を見せてくれた。

一踏ん張りして山頂に向かう。



やっとの思いで鹿島槍ヶ岳南峰の山頂に着く。

15時10分

フラフラ歩いて何度も休憩したのに山荘から2時間10分で着いた。

所がなんと言うことだ。

頂上に着いた途端にガスが頂上まで上がってきた。



山頂標識の更に上にピークがあり駆け上る。

しかし、ガスが上がってくるスピードの方が早かった。

鹿島槍ヶ岳北峰の方向は真っ白。

当然五龍岳も見えない。

あと10分も早く登っていれば素晴らしい眺望だったのに。

残念だが仕方が無い。



ガッカリして座り込んでいると、青年が二人北峰方向から登ってきた。

話しかけるとコリアンだと言う。

日本語は全くわからないらしいが、アドベンチャールートを歩いてきたと言っていた。

五龍岳から八峰キレットを越えてきたのだろう。



北峰側の岩に腰を掛けてガスが切れるのを待つ。

足下にミネウスユキソウが咲いている。

チシマギキョウやタカネツメクサも咲いている。



所がいつまで経ってもガスが晴れない。

ガッカリしてお腹がすいていることに気が付いた。

そう言えば9時過ぎに種池山荘でお握り1コを食べたきり何も食べていない。

目眩がして足が上がらなくなったのはシャリバテだったのだ。

冷池山荘で名物のカレーライスを食べようと思っていたのにすっかり忘れていた。

ブルーベリジャムパンを一個食べるとすっかり落ち着いた。

何時ものあんころ玉や塩飴なども持っていたのに食べることを忘れるとは大失敗。

あんころ玉を食べていれば糖分が脳内の血管に行き渡り、ガスが上がる前に山頂に着くことが出来たかもしれない。



15時35分 下山開始

私達が最後と思っていたら男性が二人登ってきた。

北峰まで行くと言うが大丈夫かな。



滑りやすい砂礫の道をドンドン下っていく。



やはりチシマギキョウは可愛い

イブキジャコウソウがこんな所に咲いている。



ミヤマクワガタみっけ

イワベンケイの赤い雌花。 



イワベンケイの黄色い雄花はもう終わりかけ。

ハクサンチドリの濃いピンク色がイワオウギの淡い黄色の花の中で鮮やかだ。



クロトウヒレンの蕾とヤマハハコ



この花はテガタチドリかな。

イワオウギの花の色が変化している。



タカネナナカマドとタカネヤハズハハコ



ツマトリソウも咲いている。



雪渓の横にはシナノキンバイの群生

シュロソウの高山型のムラサキタカネアオヤギソウも多い



ウサギギクやハクサンイチゲも咲いている。



また布引岳に寄ってみる。



タカネバラが咲いているのを発見。



遭難碑がある。

眼下の大町あたりは日が差している。



ショウジョウバカマとタケシマランのようだが。



ヒメフウロとコイワカガミ



雪渓の所まで帰ってくるとシナノキンバイの群生が素晴らしい。

夕食までに帰れば良いので家内は花を見るのに夢中。

私は早く帰って生ビールが飲みたい。



シナノキンバイの蕾もまた可愛い

コイワカガミの群生もある。



振り返ると鹿島槍ヶ岳の山頂はまだガスの中。

シラネアオイがまだ綺麗に咲いていた。

最盛期には素晴らしい花園だったことだろう。



私はバイケイソウは余り好きな花では無いが、コバイケイソウは大好きだ。

今回大好きなコバイケイソウをタップリ見る事が出来て幸せだった。



ミヤマキンバイとキバナノコマノツメ



?の花とアカモノ



テン場に帰ってくるとテントが増えて美味しそうな匂いが漂っていた。

テント泊も楽しそうだなあ。

花を楽しみすぎて遅くなった。

やっと冷池山荘が見えてきた。



17時50分 山荘着

とりあえず生ビールと思って窓口で申し込む。

なんと!生ビールの販売は16時30分で終了だとか。

仕方が無いので缶ビール500㎖を購入。

広場のテーブルで半分以上を一息に飲み干す。

ああっ生き返る。

山荘に入ると夕食が始まっていた。

お蕎麦も付いてタップリの夕飯。

残りのビールを飲み干し更に350㎖を購入。

家内はとなりのご夫婦と話が弾んでいた。



館内はとても綺麗で談話スペースもある。

更衣室もあるので女性には便利のようだ。

トイレは水洗でとても綺麗だ。

テレビで天気予報を見るがやはり大町は明日から3日間は天気の予報。

私達は入って直ぐの部屋。

広くて蚕棚にもなっていないのでノンビリ出来る。

耳の不自由なお父さんと娘さんと同部屋になる。

娘さんはお父さんと一緒に多くの山に登ってきたようだ。

明日は鹿島槍に登って帰るそうだが、お父さんはキレット小屋まで行きたいと残念がっていた。

私が明日は天気が良ければ針ノ木岳方面に行きたいというと、針ノ木岳に行ったら是非蓮華岳に登るように言われた。

8時25分頃照明が消えて私は直ぐに爆睡。

冷池山荘 ~ 鹿島槍ヶ岳南峰 ~ 冷池山荘

総歩行距離 6.0㎞

累計標高差 ±598m


扇沢から

総歩行距離 16.2㎞

累計標高差 +2,200m
        -1,088m

総歩行数は34,600歩となっていた。

随分と歩いたなあ。

 


Ⅰ 前泊

Ⅱ 扇沢~種池山荘

Ⅲ 種池山荘 ~ 爺ヶ岳 ~ 冷池山荘

Ⅴ 冷池山荘 ~岩小屋山沢岳 ~ 下山



里山倶楽部四国編 

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