夏の里山 爺ヶ岳 鹿島槍ヶ岳 岩小屋沢岳  2013/07/21~22
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 冷池山荘から岩小屋沢岳そして下山 -

Ⅰ 前泊

Ⅱ 扇沢~種池山荘

Ⅲ 種池山荘 ~ 爺ヶ岳 ~ 冷池山荘

Ⅳ 冷池山荘 鹿島槍ヶ岳往復



朝4時半頃起きると早立ちの人達は既に出発していた。

鹿島槍ヶ岳を越えてキレット経由で五竜岳まで縦走する人達だろう。

冷池山荘から五竜山荘までは標準タイム9時間ぐらいの厳しいコースのようだ。

朝食は5時からだが、私達は弁当を注文しているので水2リッターをペットボトルに入れてもらい出発。

(一人1リットルは無料 それ以上は1リットル150円)

トイレや手洗い場でも水は出るが天水を消毒しているので飲めない。

広場からはガスが立ちこめて殆ど何も見えない。



昨日お会いした山岳警備隊の男性と記念撮影。

今日、明日は昼から雷が鳴るかもしれないので早めに山小屋に入るようにアドバイスされる。

昨日鹿島槍ヶ岳への登りでお会いした単独行の女性も出てこられたので記念撮影。

今日はそのまま扇沢に降りられるらしい。

5時35分出発。



ミツバオウレンやゴゼンタチバナの咲くシラビソ林を一旦降りていく。



崩壊地から登り始める。

これから約290mの登り。



早くも降りてくる人達が居る?



タカネバラを見て冷乗越に5時51分着。



鹿島槍方向を振り返る。

深いガスに巻かれている。

コメバツガザクラかな?



マイヅルソウ、エゾシオガマなどを見ながらユックリと登って行く。



コケモモの群落を見ながらひたすら登る。

登り返しがきつそうに思えたが、昨日の疲れも取れて快調。



爺ヶ岳中峰はトラバース道を進む

雷鳥の鳴く声が聞こえるが姿を見せない。

ずっと雷鳥を探しながら歩く。



コマクサともお別れ



岩場を登って爺ヶ岳南峰到着

7時7分。



岩場でお弁当を戴く。

綺麗なお寿司の弁当だがちょっと量が少ないかな?

鹿島槍ヶ岳を目指す人達の賑やかな話を聞きながらしばらく休憩。

この時、顔の汗を拭こうとして眼鏡を外してそのまま忘れてしまった。



下山を始めると風が吹き上げてきてガスが大きく流れ始めた。

青空も見えだした。

稜線を下ると一瞬輝くようなブロッケンが現れた。

カメラを出すのが一瞬遅れて撮影できなかったが、それからも何度かブロッケンを見る事が出来た。



しかし、最初見たような見事なブロッケンはもう見る事は出来なかった。

ガスが切れて扇沢ターミナルも見えるようになった。



トラバース道を行く団体が大騒ぎしている。

道の真ん中を雷鳥の親子が悠々と歩いている。

もうお腹は冬毛で白くなり始めている。

やっと出会う事が出来て家内は大喜び。



ドンドンと登山者が登ってくる。

蓮華岳も顔を出した。



チングルマの綿毛とイワヒバリ



種池山荘の赤い屋根が見えだした。



振り返ると鹿島槍ヶ岳もすっかり顔を出している。

やはり晴れた朝の稜線歩きは気持ちが良い。



岩小屋沢岳から左へ下った所に新越山荘も見えている。

天気も回復して、今日はあの小屋まで行くことが出来そうだ。



8時10分 種池山荘に到着

冷池山荘から朝食休憩を含んで2時間35分。

此処で眼鏡が無いことに気付く。

種池山荘に爺ヶ岳で落とした事を届けておく。

天気予報を聞くと、やはり今日の午後からは雨で明日はもっと天気が崩れるそうだ。

やはり、針ノ木岳に行くのは無理のようだ。

岩小屋沢岳へは1時間30分、新越山荘へは更に1時間足らずだという。

今から新越山荘へ向けて出発すると昼前には十分に着くことが出来そうだ。

新越山荘に泊まって明日また引き返して扇沢に降りようか。

もし天気が早く崩れるようなら岩小屋沢岳から種池山荘に引き返して泊まっても良い。

二つの山荘とも同じ経営者なので自由は利くようだ。



どちらの山荘に泊まるにしても大きな荷物は必要ないのでサブザックに必要な物を詰めて、8時34分 出発

山荘から直ぐにテン場がありテントが一つ設営されていた。

このテン場は昨年は熊の出没があって、幕営を禁止していたそうだが、今年は再開されているようだ。

熊が出なくなったのかな?

樹林帯を下って行く。

キヌガサソウの群生地がある。



シナノオトギリも咲いている。

サンカヨウも一面に咲いていて凄い。



キヌガサソウが一面に咲いている。

こんなに多くのキヌガサソウが咲いているのを見たのは初めて。

新鮮な花は真っ白。



オオバキスミレも群生。



エンレイソウやヒメイチゲも咲いて見事な花園が続く。



樹林帯から出て緩やかな道となるとシラネアオイが咲いていた。

女性二人が楽しそうにやってきた。

新越山荘泊まりだったのだろうか。



此処から種池山荘の下まで花の散策路となっているようだ。



アオノツガザクラやコバイケイソウの大群落がある。



ノウゴウイチゴも咲いているが種池山荘に泊まって花散策をして過ごしても飽くことが無いだろう。



ベニバナイチゴとコイワカガミ



タケシマランとミツバオウレン



シナノキンバイと受粉して色の変わったキヌガサソウ



雪渓が少し残っている。

ミヤマキンバイも多い。



カラマツソウとミヤマキンポウゲ



ウサギギクも群生している。

のんきに歩いていると雪渓の上に大きな糞があり「クマ」と誰かが書いてある。

比較的新しい糞だ。

やばいなあ。

しかも熊鈴を種池山荘に置いてきてしまった。

しかし先ほど女性も歩いてきているので登山道にはクマは居ないだろうと先に進む。



あの3つ目のピークが岩小屋沢岳だろうか?

(実際は更にずっと先だった)

シナノキンバイも登山道脇に沢山咲いている。



キバナノコマノツメも群生している。

緩やかなアップダウンを繰り返していく



振り返ると種池山荘が可成り高い所に見える。

その後には爺ヶ岳がそびえている。



ゴゼンタチバナの花がピンクに変わっている

ミヤマキンバイは少し小さな花だが花の真ん中が濃い色でおしゃれだ。



ミツバオウレンやマイヅルソウなど見ながらルンルン気分で歩いて行く。



少し急な坂を登り切ると体の大きなご夫婦が降りてきた。

これから先は楽ですよと言って去って行った。

稜線の長野側は鋭く切れ落ちているが富山側は緩やかな斜面となっている。



野鳥が小枝などをくわえて一生懸命運んでいる。

巣作りをしているのかな?

イカルのように見えるが?



ミネザクラかな?



ミヤマクワガタも至る所に咲いていて、夏の高山植物の勢揃い。

残った雪渓の上を歩く時は柔らかくて滑りそう。



やばいなあ、段々ガスってきた。

長野県側はザレた急斜面となっている所を進む。

特段危険では無いがスリップして転倒などしないように注意して進む。



細尾根というわけでは無いが、左へと滑りそうな道が続く。



ハクサンフウロなども咲いている。



岩山をトラバースすると山頂に着いた。

9時59分

種池山荘から随分とユックリ歩いて1時間24分

これなら11時前には新越山荘に着くことが出来るだろう。



しかしながらあっという間にガスが濃くなってきた。

ふと見ると灰色のヒヒのような動物がこちらを見ている。

一瞬驚いたが、どうも猿のようだ。



そこにも此処にも沢山居てこちらを見ている。



灰色の毛が長くて今まで見た猿とは感じが違っていて不気味だ。

そのうち、益々多く集まってきてジリジリと近づいてくる。

こりゃあいけません。

子連れも多いので危険だ?

全部で数十匹になってきた。

何処から現れるのか次々と増えてくる。

先に進むのが嫌になった。



先を見ると益々ガスっている。

もう帰ろう。



すたこらさっさと引き返す。

後ろを振り返ると山頂から男性が降りてきている。

猿を見て驚いたのかものすごい勢いで駆け下りてきて、何も言わずに追い越して行った。



途中ご夫婦がやってきたが、無事山を越えたのだろうか。



途中でまた花園を散策し、急坂を上り返して種池山荘に帰り着く。

11時47分着

猿で足止めを食ったので随分と時間が掛かった。

どっと疲れが出てきて生ビール900円とカレーライス800円を注文。

生ビールはカレーライスが出てくるのを待ちきれずに一気飲み。

ぷぁー!

五臓六腑に染み渡る美味さだ。

カレーライスも流石評判の味。

疲れた体には辛いカレーがとても美味しく感じる。

食事をしていると山荘の娘さんが眼鏡が届いていますよと教えてくれる。



眼鏡を拾って戴いたのは、昨夜冷池山荘の夕食の時隣に座られていたご夫婦だった。

どうもありがとうございました。

山荘の庭でまた山岳警備隊の青年に会い新越山荘に泊まらなかったのですかと聞かれる。

山荘の娘さんが無線で予約の変更を大きな声で伝えている。

3つの山荘は、登山者の予定が変更して泊まる山荘が変わっても対応できるように無線で連絡し合っているようだ。



種池山荘に泊まる予定で引き返して来たが、何故かもう下山したくなった。

ガスって居るとテンションが下がってしまう。

温泉旅館にでも泊まって美味しいものを食べようと直ぐに下山する事にした。

12時35分



コバイケイソウもチングルマもさようなら



石畳の道を急ぎ足で降りていく。



時間帯の所為か誰にも出会わずドンドン降りていく。



振り仰ぐと岩小屋沢岳の方は濃いガスに包まれている。



剣山でよく見かけるシコクシラベの青灰色の球果(松ぼっくり)と同じ物をみっけ。

オオシラビソの球果だろう。

急いで降りてきたので足が疲れてきた。

石ベンチで休憩。



水平道を越えて石畳の道に入った所で雷が鳴り始めたと思うと土砂降りの雨となった。



石畳の道は滑りやすいので慎重に降りていく。

東赤石の橄欖岩のようには滑らないので少しは楽かな?



木の階段も濡れると嫌だ

否が応でも慎重になる。

こんな事なら種池山荘で泊まれば良かったと少し後悔。



ケルンを過ぎる頃には登山道が沢のようになる。

この頃になると雨の中を大勢登山者が登ってきた。

今夜は種池山荘泊まりだろうが、明日も天気が悪いというのに大変だなと思う。



雨に濡れた木の階段で右足が滑って左足で踏ん張ると、膝にピキッと激痛が走った。

左膝の古傷を痛めたようだ。

痛みを堪えてユックリと降りる。



やっとの事で足を引きづり登山口に着くと雨は小降りになっていた。



下山すると丁度16時になっていた。

下りも3時間30分掛かった。

途中まで快調だったのに、雨が降ると途端にペースが落ちてしまった。

幸い膝の痛みも和らいできた。



観光案内所で旅館を紹介してもらおうと寄ると、娘さんが勘違いして薬師の湯の割引券をくれた。

隣にある薬師の湯で痛めた膝をもみほぐしてまっとりすると、もう家に帰りたくなった。

疲れと眠気に闘いながら何度も休憩して一路自宅に帰る。

帰り着くともう夜中の2時過ぎになっていた。

荷物を車から降ろすとそのまま檄睡。

やはりもう一泊すれば良かった。

最後はバタバタしてしまったが、思う存分高山の花を楽しむ事が出来た。

針ノ木岳へは次のチャンスに挑戦したい。


冷池山荘 ~ 岩小屋沢岳 ~ 種池山荘 ~ 扇沢登山口

歩行距離 16.6㎞

累計標高差 + 977m
        -1,980m

歩行数  34,570歩



二日間で

総歩行距離 32.8㎞

累計標高差 ±3,177m
        
総歩行数は69,170歩となっていた。

随分と歩いたなあ。

ちなみに帰ってから2日間筋肉痛と膝の腫れが続きました。

次の日ニュースを見ると長野地方は悪天候だったようです。

早く帰って正解だったかも。

 


前泊

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Ⅲ 種池山荘 ~ 爺ヶ岳 ~ 冷池山荘

Ⅳ 冷池山荘 鹿島槍ヶ岳往復


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